コンピュータウイルスの対策にはどのようなものが思い浮かぶでしょうか?
ほとんどのスマホやパソコンには、最初からいくつものウイルス対策がほどこされています。
ウイルス対策の種類と、どのように活用すればウイルスに感染しないのか紹介します。
ウイルス対策ソフトは不要か
パソコンでもスマートフォンでもウイルス対策は必須です。
ウイルス対策を行なわない場合、大切な個人情報を盗まれたり金銭的被害を受ける恐れが高くなります。
例えば、ショッピングサイトのユーザIDとパスワードを盗まれて商品を購入されたり、スマートフォンがロックされたりして利用できなくなります。
大切な情報や資産を守るために、必ずウイルス対策を行いましょう。
それでは、どのようなウイルス対策が良いのでしょうか?
パソコンやスマートフォンには、以下のウイルス対策機能が最初から備わっています。
※ウイルス対策ソフトの詳細はリンクをクリックしてください。
種別 | 種別 | ウイルス対策ソフト |
---|---|---|
iPhone | iOS | -(なし) |
Android携帯 | Android OS | Google Play プロテクト |
Windowsパソコン | Windows | Microsoft Defender |
Mac | Mac OS | XProtect |
Google Chrome | Chrome OS | Google Safe Browsing |
iPhone以外はウイルス対策ソフトが組み込まれています。ここからそれぞれのウイルス対策を見ていきましょう。
パソコンに最初からインストールされているウイルス対策ソフト
パソコンの場合はさまざまなソフトをインストールして利用し、スマートフォンに比べてデータの格納容量が多く、大量のデータを保存できる特徴があります。パソコンでのコンピュータウイルス対策は以下の通りになります。
Windowsパソコンの場合
初期のウイルス対策ソフト:Microsoft Defender
以前はウイルスの検知率が悪い時期がありましたが、現在は改善されています。ウイルス対策ソフトを評価するオーストリアの第三者機関AV-TEST社の2024年4月の試験によると、Defender アンチウイルス は満点の評価となっています。
参考:AV-TEST社 2024年4月 ホームユーザセキュリティ製品評価
Macの場合
初期のウイルス対策ソフト:XProtect
MacOSはXProtectというウイルス対策ソフトが最初からインストールされており、ウイルスから守っています。また、MacはSandboxing機能という機能が備わっています。Sandboxing機能はアプリが動くときに、他に影響を及ぼさないようにアプリ専用の区画を作る仕組みです。これにより、ウイルスがMacOSに感染するのを防ぎます。
MacのアプリはAPPストアが中心となります。APPストアに登録されるアプリはApple社の厳しい検査があるため、ウイルスが仕込まれたアプリは審査に通りません。そのため、APPストアからのアプリは非常に安全性が高い特徴があります。
ただし、APPストア以外からのインストールは、感染する恐れがあります。必ずAPPストアからインストールしましょう。
ChromeBookの場合
初期のウイルス対策ソフト:Google Safe Browsing
ChromeOSは基本的にGoogle Driveへの接続が前提となっており、データが基本的にクラウド上にあります。そのため、ランサムウェアの被害にあった事例がありません。また、ChromeBook本体にデータがほとんどなく、データの盗難が効きづらいのが特徴です。Google社はウイルスに感染した事実がないことを公表しています。
スマホでの初期コンピュータウイルス対策
スマートフォンはパソコンに比べて本体のデータ容量が少なく、アプリを利用したクラウドサービスが主体となります。
ランサムウェアに感染しても暗号化するデータが少ないため、身代金を要求してもあまり意味がありません。
パソコンや別のスマートフォンからクラウドサービスにアクセスして、必要なデータを救出できます。
そのため、スマートフォンをロックして身代金を要求するパターンが多くなります。
スマートフォンでのコンピュータウイルス対策は以下の通りになります。
iPhoneの場合
初期のウイルス対策ソフト:なし
iPhoneに初期のウイルス対策ソフトはなく、ウイルス対策機能としてMacOSと同じSandboxing機能のみを備えます。iPhone最大の特徴はアプリのインストールがAPPストアからしか行えないことです。
APPストアのアプリはMacと同様にApple社が厳しい検査を行うため、ウイルスが混入しない仕組みになっています。
以上より、iPhoneのウイルス対策ソフトが初期で入っていません。ただし、jailbreak(ジェイルブレイク:脱獄)を行うと、APPストア以外からアプリをインストールできるようになり、ウイルス感染する恐れが出てきます。ジェイルブレイクは絶対にしないようにしましょう。
Androidの場合
初期のウイルス対策ソフト:Google Play プロテクト
Google Play プロテクトは、ウイルス対策ソフトを評価するオーストリアの第三者機関AV-TEST社の2024年5月の試験で満点を獲得しています。
参考:2024年5月 Android に最適なウイルス対策ソフトウェア
ただし、Android携帯はGooglePlay以外でもインストールできるため、感染の危険性があります。
すぐにできるコンピュータウイルス対策
以上の対策を各社行っていますが、コンピュータウイルスの対策に完璧はありません。
それは、各社が使っているウイルス対策ソフトで検知できないウイルスがあるためです。
例えば、初めて発見される未知のウイルスや、ユーザが間違えてウイルス付きのアプリをインストールする場合もあるためです。
ここでは、すぐにできるコンピュータウイルス対策として、危険な箇所の見分け方を紹介します。
詐欺サイトの見分け方
詐欺サイトとは当初から詐欺目的で作成されたサイトです。目的は個人情報やクレジット情報の搾取、金銭搾取が目的です。商品代金を払った後に連絡が取れなくなったりします。
見分け方のポイントは、価格が異常に安い、翻訳ソフトを使ったような日本語がおかしい、支払方法が銀行振込だけなどと制限されている、問い合わせ先がないもしくはメールアドレスがおかしい、運営会社情報がおかしい(例えば住所が存在しなかったり、企業情報がなかったりする)、暗号化(https)されていない等の特徴があります。以下は詐欺サイトの一例です。
ただし、近年は生成AIの発展に伴い、日本語の翻訳精度が飛躍的に上がっています。
また、Webサイトのリンクが改ざんされ、そっくりな偽サイトを表示する場合も考えられます。
必ず正規のWebサイトにアクセスしましょう。
不審なメールの見分け方
不審なメールにはフィッシングメールがあります。目的は偽の詐欺サイトに誘導したり、コンピュータウイルスを直接インストールさせることです。
見分け方のポイントは、あおるようなタイトルであったり、メールアドレスが無意味な文字の連続であったり、有名なメールアドレスに似せたりします。
また、リンク先のURLが不審な場合がほとんどです。以下は不審なメールの一例です。
メールの表示がhtml形式の場合、ウイルスに感染する恐れがあります。メールの設定は必ずテキスト形式にしましょう。
まとめ
それぞれのパソコンやスマートフォンは、最初からウイルス対策が備わっています。
ウイルス対策に万全はありませんが、詐欺サイトや不審なメールを見分けるようになるだけで、ウイルス感染のリスクを大幅に減らせます。
コンピュータウイルスに近づかない対策が、最も有効です。
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